文章:池田将友(長井市在住・作家 著書「弁当男子」)写真:船山裕紀(長井市在住・カメラマン兼 おもちゃ屋kimiオーナー) 私の故郷である「長井」を詳しく知っている方は、おそらく少ないでしょう。山形県の南、置賜地方に長井市はあります。いわゆる地方都市。もっと砕けた言い方をすれば田舎です。首都圏と比べて、人口、商店、娯楽施設の数は圧倒的に少なく、それだけ聞くと、若い世代(特に10~20代)の方は退屈な町と思うかもしれません。私も学生の頃は退屈な町だと思っていました。カラオケが一軒しかなければ、ファストフードの店は一軒もない。テレビや雑誌に載っているような店はなく、カッコイイとは程遠い場所。それが、学生時代の故郷の印象でした。多感な時期だからこそ、ゆったりと流れる田舎の空気感を物足りないとか、ダサいと感じてしまっていんだと思います。故郷に対して、反抗期だったとでもいうのでしょうか。退屈な町を早く出て行きたい……その一心で、一度は首都圏へと移り住んだのですが、今は故郷に戻り生活をしてます。昔よりも空き家は増え、人口が減り、公園で遊ぶ子供の姿を見なくなり、すっかり寂しくなってしまったなとは思うのですが、長井を退屈な町