追憶の歴史探訪Ⅰ~日本の近代化に貢献した細倉鉱山

追憶の歴史探訪Ⅰ~日本の近代化に貢献した細倉鉱山

 最近の話題の連続テレビ小説にも、鉱山の話題が良く出てくる。H28年3月現在放送中の『あさが来た』のヒロインのモデルになった広岡浅子は、幕末から明治にかけての激動の日本を活躍した女性実業家として有名だ。その浅子が護身用のピストルを懐に忍ばせて、荒くれ者の鉱夫やそれらを束ねる納屋頭と渡り合って良好な関係を築き、買収した潤野炭鉱を優良炭鉱へと成長させていった逸話は今もなお語り継がれている。また一昨年の『花子とアン』で蓮子(モデルは柳原白蓮)の夫、嘉納伝助のモデルとなった伊藤伝右衛門の邸宅や所有していた牟田炭鉱も潤野炭鉱のすぐそばにあった。世代を問わず人気となる物語は激動の時代を描いたものが多く、それらを見ていても、鉱業が日本の発展を支えた産業だったということが良く分かる。軍艦島(端島)を含む『明治日本の産業革命遺産』が世界遺産登録されたこともあり、昨今では鉱山の歴史に改めてスポットを当てる作品も増え、興味を持つ若い世代も少なくない。 2月の下旬、ピリリとした冷たい空気ながらも向春を感じさせる日差しの中、栗駒山に向かって車を走らせ、栗原市鶯沢地区に到着した。宮城県栗原市の北西に位置する鶯沢地区。くりこま高原駅から3