箟岳・白山祭(県重要無形文化財)

箟岳・白山祭(県重要無形文化財)

日本で初めて金が算出したことで知られる涌谷町。そのほぼ中央にある箟岳山。頂上からは視界をさえぎるものがほとんどなく、眺望に優れ、仙北平野の水田地帯はもちろんのこと、遠く岩手県の山々や牡鹿半島、金華山まで望むことができる。大きな杉の木が目印となり、大崎平野・仙北平野の中では目立つ存在となっている。夫婦杉と呼ばれる樹齢900年を超える大木は、形も大きさも圧巻。奥州三観音の一つである箟峯観音でも有名で、坂上田村麻呂建立と伝えられる。観音堂に向かって右にある白山神事で有名な白山社。宝亀(ほうき)元年(770年)創立、同6年(776年)大伴駿河麻呂(おおとものするがまろ)建立と伝えられている。白山信仰はもともと山岳信教で、これに天台密教が結びつき作神様としての当地方の信仰の中心となっている。白山神事は、神仏習合により、一山の天台宗の僧によって執り行われます。これを宮座式といいますが、正月行事を中心として古式に則り、数百年にわたって引き継がれてきていることは、全国的にも珍しい。1月の第4日曜日例祭では弓神事(流鏑[やぶさめ])が行われ、稚児が矢を射てその年の天候を占います。恒例の正月行事は大晦日から始まり、元三会、修正会