飯坂温泉の老舗「なかむらや旅館」で本当の贅沢を知る

飯坂温泉の老舗「なかむらや旅館」で本当の贅沢を知る

温泉だらけの日本列島のなかでも、特に「温泉天国」といっていい我が福島県。筆者の住む福島市内だけでも、土湯、飯坂、高湯という古来の名湯があります。とりわけ飯坂温泉には高級旅館だけでなく共同浴場もたくさんあって、筆者もよく地元のみなさんに交じってお湯に浸かりに行きます。聞けばこのあたり、古い家だと風呂がないのも珍しくないそうで、飯坂ではまさに「源泉かけ流しとともにある暮らし」が営まれてきたんですね。 そんな飯坂温泉の中心に建つ、「なかむらや旅館」にこのたび一泊してきました。   ふだん共同浴場に来るたび、「あー温泉の近くに住んでいて幸せ♪」と感じる筆者ですが、お泊りとなるとそれほど頻繁に機会があるわけではありません。今回、東京から旧友2人が訪ねてきてくれたのを機に、ちょっと気になっていたこのお宿を予約してみたのです。 結論から言ってしまいますとね。これが「贅沢」というものなんだな、と心から感じる1泊2日でした。   国の有形文化財に登録されている「なかむらや」の建物は、江戸館と明治館に分かれています。江戸館が建てられたのは、そう、江戸時代。元禄元年(1688年)といいますから、今年でなんと築330年!