岩手県公会堂は,皇太子であった昭和天皇の御成婚を記念して建設が計画され,1925年(大正14年)9月の着工から1927年(昭和2年)6月の竣工まで,約2年の工期と総額43万8000円の建設費を投じて建設された。 設計は,東京の日比谷公会堂や早稲田大学大隈講堂の設計で知られる佐藤功一博士で,近代コンクリート建築の先駆け。創建当時の公会堂は,県会議事堂,大ホール,西洋料理店,皇族方の宿泊所と,4つの用途を備えていた。間口44メートル,奥行48メートルの規模で,鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建,陸屋根となっ