自然と調和した癒しの湯治場 秋田・乳頭温泉郷の秘湯「黒湯温泉」

自然と調和した癒しの湯治場 秋田・乳頭温泉郷の秘湯「黒湯温泉」

乳頭温泉郷の中でも最も奥にある源泉地帯に位置する秘湯「黒湯温泉」。冬季は雪で閉ざされてしまうため、営業は例年4月中旬から11月中旬のみである。山中の谷合に忽然と姿を現す黒湯温泉は、まさに隠れ里のような様相である。江戸時代初期の延宝2年(1674年)頃に発見されたというこの温泉、当時は湯治に行くのも一苦労であっただろう。車で黒湯温泉に行くには、田沢湖から山道を走り、有名な鶴の湯温泉の入口を通り越して、さらに山道を走る。最後は、本当に通り抜けられるのか不安になるような細道を抜け、黒湯温泉の駐車場に到着する。公共交通機関で行く場合も、田沢湖駅からバスで乳頭温泉入口まで行き、そこからは黒湯温泉の送迎車に乗ることになるので、同じ道を走ることになる。黒湯温泉は先達川が流れる谷合に位置し、駐車場はその横の丘陵部分にある。駐車場から坂道を下って行くと、まるで隠れ里のように黒湯温泉の建物が現れる。旅館棟の渡り廊下に提灯が吊るされ、その向うには自炊棟の茅葺屋根が見えている。敷地内にある黒湯温泉内の案内図だ。これを見ると温泉内の様子が良くわかる。お風呂は混浴風呂と男女別風呂と2か所あり、それぞれ別の源泉からお湯が引かれている。混浴