山形県
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江戸時代に北前船の往来によって全国と繋がり、華やかな湊町文化が形成された山形県酒田には、数多くの料亭が開業しました。時代の流れとともに多くの料亭はその使命を終えましたが、数少ないいくつかは、役割を変えて当時の面影を現在に残しています。そのなかで酒田を代表する規模と格式をもった元料亭の「山王くらぶ」は、つるし飾り「酒田傘福」の展示拠点ともなっています。そんな「山王くらぶ」の魅力をご紹介します「山王くらぶ」は、明治28年に、当時は「宇八樓」という名前で開業した料亭です。写真からも覗えるように、扇子を模した明り取りや格子戸などの料亭としての工夫が随所に見られ、豪勢な感じを醸し出しています。竹下夢二が酒田を訪れた際には、何度も足を運んだことでも有名です。その後、戦後間もなく「山王くらぶ」と名を改めて再開業し、平成11年に、その役割を終えました。平成15年には料亭建築の貴重な遺構として、国の登録有形文化財に登録されています。その後、酒田市に寄贈され、平成20年に酒田の料亭文化、歴史などを広くご紹介する施設、新「山王くらぶ」として生まれ変わりました。「山王くらぶ」の2階の大広間は40畳ほどあり、「傘福の間」になっています