仙台藩祖・伊達政宗眠る絢爛豪華な霊廟を観る〜瑞鳳殿〜

仙台藩祖・伊達政宗眠る絢爛豪華な霊廟を観る〜瑞鳳殿〜

仙台市街の南、仙台城跡の東に位置する経ヶ峯という名の丘。この丘を上り詰めたところに仙台が誇る名将であり、仙台藩祖である伊達政宗の霊廟があります。政宗が死去したのは、寛永13(1636)年。享年70歳でした。江戸の伊達屋敷で亡くなり、棺はここから仙台へ向かって、法事後、政宗の遺言によりこの経ヶ峯に霊廟を建立して石室に納められたのです。今回は政宗の霊廟をご紹介します。丘の頂上部に向かって、杉並木の緩やかな石段を登りきったところに瑞鳳殿への入口があります。涅槃門です。銅板葺きの黒漆塗りで、扉や垂木に施された金の装飾がよく映えていた豪華な門になります。柱間上部や桁の透かし彫りは精緻を極め、蟇股(かえるまた)には青く彩色された麒麟です。麒麟は良い君主が現れると出現すると言われる伝説上の動物であり、建立した2代忠宗が政宗を名君だったと示したかったことが察せられます。横から見ることのできる破風には最強の守護獣と言える牡丹を背にした唐獅子、麒麟の後ろには瑞雲というめでたいことの起こる前兆を示す雲の装飾も見られます。涅槃門を背に不規則な石段を登ると政宗の霊屋、瑞鳳殿です。瑞鳳殿は隅棟に龍を這わせた銅板本瓦葺きで、黒漆塗りの宝形