羽黒町(門前町手向)

羽黒町(門前町手向)

享保9年(1724)の「手向村絵図」によると、鶴岡方面から羽黒山仁王門まで、引出町・下町・池ノ中・大鳥井・亀井町・長屋町・桜小路と続いていたことが知られるが現在も大きな変化は見られない。門前は御恩分と呼ばれる地位の高い宿坊と、下級の平門前とに分かれるが、幕末には合わせて300余坊を数えたといわれている。現在では30余軒を残すにすぎないが、石垣や冠木門をもつ木立に囲まれた敷地の中に唐破風の立派な玄関をもつ茅葺屋根の宿坊、妻側破風内に羽黒の太い綱をあげた宿坊などが建ち並ぶ。