本州最果ての温泉街『下風呂』。隠れた名湯と幻の鉄道・大間線のアーチ橋

本州最果ての温泉街『下風呂』。隠れた名湯と幻の鉄道・大間線のアーチ橋

下北半島北部、海峡に面した海沿いに本州最果ての温泉街、下風呂温泉があります。青森から一時間半列車に揺られて下北駅、そこから更にバスで一時間という、かなり辺鄙な場所です。秘境とも呼ぶべき小さな漁村の小さな温泉街。しかしそこには素晴らしいお湯と新鮮なイカ、そして幻の鉄道の遺構があります。他人とは一味違った旅がしたい、そんな方へ特にお薦めのマイナースポットです。太平洋戦争のさなか、津軽海峡を守る要塞の強化工事に資材を運ぶため、下北半島突端の大間まで鉄道を敷設する計画がありました。線路はむつ市から津軽海峡へ抜けた大畑まで完成。その先もほぼ完成間近となっていたのですが昭和18年、戦況の悪化と資材不足を受けて工事は中止されました。戦後、予定線として工事再開の日を待ちながらも昭和43年、青函トンネルが津軽半島ルートに決定したのを機に、計画は完全に消えてしまったという歴史があります。沿岸には使われる事のないまま放置され、崩壊しかけた橋脚やトンネルなど味のある遺構が沢山あるのですが、せっかくここまで造ったのにと思ってしまいます。しかし下風呂温泉のアーチ橋は遊歩道として復元され、現在は観光名所としての役目を担っています。使われる