板石塔婆(板碑)とは中世独特の供養塔で県内では津軽地方で 270
例以上が知られているが、県南地方ではこの板碑を含め2例のみであ
る。
碑面には、梵字でキリーク(阿弥陀如来)、サク(勢至菩薩)、サ(観
世音菩薩)の阿弥陀三尊が彫られており、その下位に 1358(正平 13)
年 2 月 4 日の年号と2種の偈文(げもん。仏の教えや仏の徳を讃える
文句)を刻んでいる。
造立者は、不明であるが、年号が南朝年号なので、南朝を支持して
いた根城南部氏に関連した武士、高層又は修験者が建立したと推察さ
れている。