総面積四十九万二千平方メートル(約十四万九千坪)に達する弘前城は、周囲を外濠や中濠、内濠、西濠などの水濠によって囲まれています。さて、この弘前城は、岩木川の河岸段丘に築かれた平山城(ひらやまじろ)です。平山城とは日本の城郭建築の一種で、平野の中にある丘陵に築かれた城のことを指し、戦国時代末期から江戸時代後期にかけて普及した形式です。同時期に発達したものとしては、平野の真ん中に築かれた平城(ひらじろ)があります。それまでの城は、堅固な山の上に築かれた山城(やまじろ)が中心でしたが、城の役割が戦闘を目的とした