津軽氏の菩提寺である長勝寺を正面に据えて、三十三のお寺が連なる禅林街。二代藩主・信(のぶ)牧(ひら)が弘前城の西南の守りとして、津軽一円から曹洞宗の寺院を集めて作った場所です。ここは弘前に暮らす人にとって信仰の場であるとともに、人間の力を越えた自然への畏敬の念を抱かせ、目に見えない存在をも受け入れる心の深さや豊かさの象徴の場。今も弘前人の精神文化を支えている場所です。早朝、座禅を組む静寂の中、方を打つ警(きょう)策(さく)の音が杉の木立に響きます。
青森県 弘前市
ひろさき街歩き