江戸時代には城下町として、津軽地方の中心として栄えた弘前ですが、明治政府が断行した廃藩置県により、県庁所在地はごくわずかな期間だけ弘前とされたものの、すぐに青森に移ってしまいました。そのため一時期、弘前の町は衰退を辿ったと言われています。
そんな弘前が再び賑やかな町となるきっかけとなったのが、明治三十一年(一八九八)の旧日本陸軍第八師団司令部の設置でした。
「師団」とは、陸軍において戦闘・補給・通信など軍隊が必要とするすべての機能を備え、独立して行動可能な最小の戦略単位のことです。この第八師団には、山岳史