遺されたのは、伝えるため。陸前高田市の震災遺構を目に焼き付けろ

遺されたのは、伝えるため。陸前高田市の震災遺構を目に焼き付けろ

東日本大震災で特に甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。復興が進むなか、あえて震災の記憶を後世に伝えるために「震災遺構」として残された建造物があります。それらを目の当たりにすれば想像をはるかに超える津波の恐ろしさを実感できる震災遺構。この時代を生きる私たちにはこの場で何が起こったのかを知る必要があるのです。国の名勝でもあった白砂青松の景勝地・高田松原。過去の津波から陸前高田の町を守ってきた存在でもあった約7万本の松は3・11の津波により全てなぎ倒されました。そんな中、10mを超える津波から奇跡的に生き残った1本の松が陸前高田市の復興を照らすシンボルとして立ち続けています。これこそ、今やその名を全国に広く知られる存在となった「奇跡の一本松」です。震災直後から復興のシンボルとして親しまれてきた一本松。しかし海水に浸かったことにより受けたダメージは想像以上に深刻なものでした。震災から1年後の平成24年5月、奇跡の一本松は枯死してしまったのです。陸前高田市は後世にこの奇跡の一本松を受け継いでいくため、モニュメントとして保存整備することに決定。賛否両論はあったものの、奇跡の一本松は可能な限りの保存処理を施され再びこの場に