県内各地で踊られる鹿踊は,踊りの様式から大別して太鼓踊り系(県南地方)と幕踊り系(県北地方)に分けられる。太鼓踊り系は,1~3mの長いササラ竹を背負い,腹に太鼓を下げ,太鼓を打ち鳴らしながら踊り,鹿面の大きいのが特徴。幕踊り系は,両手に幕を下げ,笛や太鼓のハヤシが別について踊るもので遠野鹿踊り以外は鹿の面も小さい。太鼓踊り系の起源は,奈良の春日大社の神事に由来し,村の平安を祈願し,悪霊を追い払う行事の舞踊化されたものといわれ,現在のような装束は江戸時代からのものと思われる。素朴さの中に高い風格を兼ね備えた